子会社の支配とは? IFRS 10の“Control”の3つの要素を解説(第2回)

IFRS 10の定義:Controlとは何か

「投資先から変動するリターンを得る権利・可能性を持ち、
そのリターンに影響を与える力を持つとき、支配しているとみなす。」

つまり、Controlは次の3要素で成り立っています👇

  1. Power(権限)
  2. Variable Returns(変動するリターンへの関与)
  3. Link(その力を使ってリターンに影響を与える能力)

この3つが揃ったときに「子会社」として連結の対象となります。

要素① Power(権限)

  • 通常は 議決権の過半数(50%超) により得られる。
  • ただし、契約上の権利 でもコントロールを持つことがある(例:取締役を任命できる権利)。
  • 潜在的議決権(share options, convertible instruments) が「今すぐ行使可能」なら考慮。
  • Substantive rights(実質的権利) のみが対象(形式的な権利は無視)。

例:Entity AがEntity Bの40%を保有し、さらに行使可能なオプションを持ち80%になる場合、
→ 実質的に支配力がある=子会社とみなす。

要素② Variable Returns(変動するリターン)

  • 投資先の業績次第で変動する利益・損失を受け取る可能性。
  • 例:配当金、手数料、シナジー、スケールメリットなど。
  • 固定利息のように「変動しないリターン」はControlの証拠にはならない。

コントロールしているなら「利益が変動する立場」にある。

要素③ Link(パワーとリターンの結びつき)

  • 「Powerを使ってリターンに影響を与えられる」こと。
  • 単に権利があるだけでなく、実際に意思決定を通じて成果を変えられる状態。
  • 代理人(agent)として権限を委譲されているだけなら、Controlはない

IFRS 3とのつながり(Business Combinations)

  • 一社が他社を**支配(Control)**した瞬間=**企業結合(Business Combination)**が発生。
  • この時点で IFRS 3(取得法) を適用し、のれん・NCIなどを測定。
  • 支配を獲得した日が「Acquisition Date(取得日)」。

「IFRS 3は“支配を得た瞬間”の会計、
IFRS 10は“その後の連結報告”を扱う。」

まとめ:Control判断の3要素を押さえる

要素内容判断ポイント
Power意思決定を支配できる議決権・契約上の権利・実質的権利
Variable Returns投資先の成果で利益が変動配当・シナジー・手数料など
LinkPowerを使ってリターンに影響実際に意思決定できる立場

3つすべて揃ったら=子会社として連結!

次回予告(第3回)

連結をしない? IFRS 10の例外・免除ルールを整理します

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